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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻1号

2000年01月発行

文献概要

研究と報告

自責・加害的な強迫症状—分裂病性強迫への1寄与

著者: 濱田秀伯1 村松太郎1 山下千代1 水島広子1 末岡瑠美子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.29 - P.35

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【抄録】 自責・加害的な強迫症状が病像の前景に立つ神経症と分裂病の4症例を提示し,症候学的な立場から検討を加えた。これらの症例は無力性の人格変化に始まり離人症,対人恐怖,仮性幻覚,自我漏洩症状などを合わせ持ち,自我障害を基盤に進展する。自我障害が進み自我の二重化を生じると,自生思考は異質性を帯びて干渉性の強迫観念に,感覚性を加えて強迫表象に,運動性を獲得して自我漏洩症状へ移行する。強迫行為は主体が異質無縁化する体験の自己所属性を確認し,これを自己に取り戻そうとする自助努力である。筆者は分裂病性強迫の本質を,心的エネルギー低下による主体の無力化,自責的な内省から生じる確認強迫と考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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