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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻1号

2000年01月発行

文献概要

短報

精神分裂病における神経学的徴候—初発群と慢性群の比較

著者: 岡村武彦1 豊田裕敬2 森本一成1 花岡忠人1 水野貴史1 友田洋二13 左光治4 米田博1 藤村聡5 岡村直彦6

所属機関: 1大阪医科大学神経精神医学教室 2大阪医科大学中央検査部 3兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院神経内科 4左診療所 5京都大学医学部附属病院総合診療部 6小曽根病院

ページ範囲:P.85 - P.88

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はじめに
 近年,精神分裂病(以下分裂病)と中枢神経系の異常との関係が注目されているなかで,臨床神経学的検査で得られる「神経学的徴候」(Neurological Signs;NS)は健常者より分裂病患者に多くみられるとされている6,16)。NSは古くはKraepelinやBleulerの記述にもみられ,分裂病の非妄想型13),陰性症状8),不良な経過5)などと関連すると考えられている。特に,NSに関する今までの研究は主に慢性の分裂病患者を対象とし,慢性化との関連を報告している5,14)。しかし,初発の患者においてもNSを認めるという報告12)や発症前からすでにみられるという報告9)もなされており,慢性化との関連については,現在まで十分検討されているとは言いがたい。
 そこで今回我々は,包括的なNSの検査スケールを作成し,分裂病の初発群,慢性群とを比較することで,NSと慢性化との関連を検討したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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