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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻10号

2000年10月発行

文献概要

特集 職場の精神保健 産業精神保健—課題と方向

産業精神保健医の役割—労働安全衛生法,産業精神保健医とは

著者: 吉川武彦1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.1081 - P.1085

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これまで産業精神保健はどのように機能してきたか
 公衆衛生における予防の概念に従って,疾病の発生予防(第1次予防),疾病の早期発見・早期治療(第2次予防),疾病からの回復・再発予防と社会復帰(第3次予防)に当たるものとして,産業精神保健を精神障害の発生予防,精神障害の早期発見・早期治療,精神障害のリハビリテーションとして考える向きが多かった。したがってそこで行われる産業精神保健活動は,従業員で精神障害に罹患したものを早く発見するという精神障害者の早期発見や早期治療に当たる第2次予防を中心にして行われてきたといえよう。
 その延長上にあるのが,早期発見のためのマニュアルづくりであったり,採用時における精神医学的面接の強化が行われるなどの産業精神保健活動であった。その一方で,第3次予防に当たる精神健康障害を負ったものの職場復帰をめぐる検討も盛んに行われてきた。職場復帰までの段階づくりや受け入れる職場の配慮事項の検討などが行われてきたのもこのためであった。また復職判定の手続きなども検討され判定委員会が設置されるなど,第3次予防に関する産業精神保健活動が盛んに行われるようになってもいた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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