icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻11号

2000年11月発行

研究と報告

母体および新生児におけるロフラゼプ酸エチルの血漿中濃度変化について

著者: 増村年章1 足立卓也1 臼井直行2 中野義宏2 三橋直樹2

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院精神神経科 2順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院産婦人科

ページ範囲:P.1161 - P.1165

文献概要

【抄録】 我々は,不安症状に対して出産前日までロフラゼプ酸エチルを服用していた妊婦および新生児の出産時と産後のロフラゼプ酸エチル血漿中濃度を測定する機会を得た。出産時の母体血漿中濃度は186.1ng/mlであり,臍帯静脈血中濃度は215.3ng/mlと母体の濃度の1.16倍であった。母体の産後3日,7日,32日の血漿中濃度はそれぞれ143.3,112.4,20.4ng/mlであった。一方,児の血漿中濃度は138.3,139.7,3.7ng/mlであった。児の7日目の濃度が3日目と変わらなかったのは,生後3日より12日まで母乳による授乳が行われており,本薬剤が乳汁より児へ移行したためと考えられた。これらの結果より,ロフラゼプ酸エチルは従来のベンゾジアゼピン系薬物と同様に高い胎盤通過性と乳汁移行性があり,妊産婦に対する投与には注意する必要があると考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら