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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻11号

2000年11月発行

研究と報告

破瓜型分裂病との鑑別が問題となったアスペルガー症候群の1例

著者: 堀有伸1 松浪克文2

所属機関: 1東京武蔵野病院 2東京大学医学部附属病院分院神経科

ページ範囲:P.1167 - P.1174

文献概要

【抄録】 20代半ばに幻覚妄想状態を呈して初めて精神科を受診し,当初は精神分裂病と考えられたが,後の経過からアスペルガー症候群と診断された男性症例を報告した。症例は当初幻覚や被害関係念慮などの症状を訴えた。薬物によって諸症状は速やかに改善したが,対人的には引きこもる傾向があった。その後,患者は受容的な入院環境において積極的な対人交流を求めるようになり,それに伴ってアスペルガー症候群に特徴的な社会的相互作用の質的異常が明らかになった。本稿では分裂病症例との異同について患者の示す対人相互作用などに着目しながら考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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