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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻11号

2000年11月発行

文献概要

研究と報告

著明な情動不穏を認めたMarchiafava Bignami病の1例

著者: 森山泰1 三村將2 加藤元一郎3 崎原健生1 原常勝1 鹿島晴雄4 浅井昌弘4

所属機関: 1駒木野病院精神科 2昭和大学医学部精神神経科 3東京歯科大学市川総合病院精神科 4慶應義塾大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1181 - P.1186

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【抄録】 Marchiafava Bignami病(MBD)の1例を報告する。本例では明らかな脳梁離断徴候を認めず,不機嫌・抑うつなどの精神症状を呈した。精神症状は発症後4か月から9か月まで持続し消退したが,症状が顕在化していた間,脳波の徐波化などが認められ,通過症候群に基づく症状と考えられた。本例の特徴は,経過が詳細に追跡できたことのほか,SPECTにおいて前頭・側頭部の血流低下を認め,精神症状の改善とともに正常化したことである。このことから,同部位の機能障害が本例の精神症状形成に関与している可能性が高いと思われた。また本例のMBD発症機転としては,重症アルコール性肝障害による代謝性の要因が関与している可能性があると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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