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巻頭言
“psychojournalism”について
著者: 人見一彦1
所属機関: 1近畿大学医学部奈良病院神経科
ページ範囲:P.1242 - P.1243
文献購入ページに移動 “Psychojournalism”という言葉を初めて聞いたのは,20年前のチューリッヒにおいてであった。精神病理学を担当するScharfetter教授が,「日本ではPsychojournalismusは大丈夫か」と質問された。耳慣れないドイツ語の発音であったので,何回か聞き直して,直訳的に解釈してあいまいな返事をした。この言葉の内実をいやというほど経験させられることになろうとは,当時は想像だにしなかった。
この言葉はScharfetter先生自身の造語によるものである。先生によれば,この言葉にはかなりの皮肉と批判がこめられているようである。これは人間の思考や行動を安易に心理学的なものとして扱ってしまおうとする風潮とともに,メディアのトーク・ショーで見られるような露出症的で,しかも人格のプライバシーへの配慮を欠いた風潮を表現するために作りだされた言葉である。
この言葉はScharfetter先生自身の造語によるものである。先生によれば,この言葉にはかなりの皮肉と批判がこめられているようである。これは人間の思考や行動を安易に心理学的なものとして扱ってしまおうとする風潮とともに,メディアのトーク・ショーで見られるような露出症的で,しかも人格のプライバシーへの配慮を欠いた風潮を表現するために作りだされた言葉である。
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