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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻12号

2000年12月発行

文献概要

研究と報告

パニック障害を合併した摂食障害患者の臨床像とcomorbidityについて

著者: 池谷俊哉1 切池信夫1 長尾浩史1 永田利彦1 南川直三1 岩崎陽子1 河原田洋次郎1 田中秀樹1

所属機関: 1大阪市立大学大学院大学医学研究科神経精神医学教室

ページ範囲:P.1245 - P.1251

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【抄録】 摂食障害患者におけるパニック障害のcomorbidityが臨床像に与える影響と,他の精神障害や人格障害のcomorbidityについて検討した。対象はパニック障害を合併した摂食障害患者(ED+PD群)18例,これを有さない摂食障害患者(ED群)22例と健常女性群17名(C群)としEDIやSCIDなどを施行した。その結果,ED+PD群は問題行動を高率に認め,症状が重症化,遷延化すると考えられた。AXIS-Iの精神障害においても,ED+PD群はパニック障害,広場恐怖以外の何らかの不安障害を13例(72%),気分障害を14例(78%),物質関連性障害を6例(33%)に認め,ED群のそれぞれ7例(32%),4例(18%),2例(9%)に比し高率であった。このような結果が得られた理由として,摂食障害にパニック障害を合併することにより,二次的に症状が重症化して他の精神障害を合併しやすくなるのか,摂食障害にパニック障害を合併するような患者は他の精神障害を発症しやすい生物学的基盤を有し,その結果パニック障害を生じやすいのかが考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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