icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻12号

2000年12月発行

文献概要

研究と報告

29歳で発症した前頭型Pick病の臨床例

著者: 山末英典12 土谷邦秋1 黒木規臣2 本多真1 新里和弘1 安野みどり1 池田研二3 風祭元1

所属機関: 1東京都立松沢病院 2東京大学大学院医学系研究科精神医学分野 3東京都精神医学総合研究所神経病理研究室

ページ範囲:P.1271 - P.1277

文献購入ページに移動
【抄録】 若年発症の前頭型Pick病の臨床例を報告した。症例は初診時33歳の男性で,精神疾患および神経変性疾患の家族歴はない。29歳時に人格変化で発症し自発性低下などの症状が緩徐に進行した。臨床症状に加えて,33歳時に施行した頭部CTで,前頭葉にほぼ限局した萎縮とその後約1年間での萎縮の進行を確認して前頭型Pick病と臨床診断した。20歳代で発病したPick病の症例は極めて稀で,海外で8例が報告されているにすぎず,本邦では本症例が最初の報告例である。また,前頭型という病変分布も本邦では比較的稀である。本症例は,成人早期の精神疾患の鑑別として,稀ではあるが,Pick病も考慮すべき疾患であるという観点からも重要な症例と考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら