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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻12号

2000年12月発行

文献概要

精神医学における日本の業績

内村祐之の業績—ヨーロッパ・アカデミック精神医学を正確かつ周到にわか国で育成したこと

著者: 原田憲一12

所属機関: 1武田病院 2元東京大学

ページ範囲:P.1293 - P.1298

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はじめに
 内村祐之は父鑑三,母しづのもとに1897年(明治30)11月12日東京渋谷で生まれ,1980年(昭和55)9月17日東京新宿にて80歳余の生涯を閉じた。この間,北海道大学,次いで東京大学の精神医学講座の教授として多くの業績をあげ,わが国の昭和期精神医学を指導した。
 内村の業績はアカデミックな精神医学の多領域にわたる。そしてそのいずれの領域においても,欧米の新しい精神医学(当時20世紀前葉,ドイツ語圏の精神医学が先端を進んでいた)の研究方法を正確にわが国に移し植えた。そしてその新しい研究方法を用いて欧米先進国にひけをとらない正確な研究成果をあげた。
 内村の学問的業績については,秋元波留夫監修になる大冊が公刊されている2)。そこには内村のすべての業績が網羅され,適切な解説が付されている。それら多くの業績の中で,世界的に見て精神医学研究史上重要と私が考えたものを以下に取り上げる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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