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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻12号

2000年12月発行

文献概要

シンポジウム ライフサイクルと睡眠障害

思春期以降に発症する睡眠障害(1)—睡眠・覚醒リズム障害

著者: 大川匡子12

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所 2現,滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1317 - P.1324

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はじめに
 最近,日本人の生活スタイルが夜型化して,睡眠時間が年々減少していることが明らかにされている。子どもたちにも同じような傾向がみられる。夜型社会は私たちの健康にさまざまな問題を投げかけている。生活習慣病や肥満,がん,ストレスによる身体や心の病気なども不規則な生活スタイルによってもたらされることがわかってきた。睡眠を切りつめると昼間にも眠気を持ち越し,注意力,集中力に欠け,ぼんやりしたり,イライラしたりするなど日中の活動性に大きな影響がみられる。さらに思春期の子どもたちの中には夜に活動し,昼間には眠っているという昼夜逆転したような生活をするものがみられる。このように,昼夜の環境に逆らったような不規則な生活では脳にある生物時計の働きに障害がみられるようになる。このために入床しても,なかなか眠れない,朝は早く起きられないなど,概日リズム睡眠障害という病気と診断される。このような病気は近年増加する傾向にあり,特に思春期以後の子どもに多くみられ,このため,遅刻,欠席,不登校といった問題をひき起こしている場合もある。ここでは最近思春期の子どもに増加している概日リズム睡眠障害についてそのメカニズムと治療法について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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