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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻2号

2000年02月発行

文献概要

研究と報告

神経性大食症と腫瘍壊死因子-α(TNF-α)

著者: 中井義勝1 濱垣誠司2 高木隆郎3 栗本文彦4

所属機関: 1京都大学医療技術短期大学部 2京都大学医学部精神科神経科 3高木神経科 4三菱化学ビーシーエル

ページ範囲:P.141 - P.144

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【抄録】 腫瘍壊死因子-α(TNF-α)は,種々の免疫活性や代謝作用を有するサイトカインである。神経性大食症(BN)女性患者20例と健常女性(N)20例を対象に,血漿TNF-αおよびその可溶性受容体sTNF-R IとsTNF-R II濃度を鋭敏な測定系を用いて測定した。同時に体脂肪量および血漿leptinとcortisol濃度を測定した。血漿TNF-α濃度はBN群(4.7±0.5pg/ml)ではN群(1.6±0.1pg/ml)に比し有意に高値であった(p<0.01)。血漿sTNF-R II濃度は,BN群(2,080.0±107.55pg/ml)ではN群(1,569.5±84.0pg/ml)に比し有意に高値であった(p<0.01)が,血漿sTNF-R I濃度は両群間で有意差がなかった。BN患者に高TNF-α血症の存在することを報告し,その意義について考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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