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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻3号

2000年03月発行

文献概要

研究と報告

情動情報に対する注意過程—強迫性障害患者と非臨床的強迫者の比較

著者: 鵜木惠子1 春日喬1 松島英介2 太田克也3 土井永史4

所属機関: 1お茶の水女子大学大学院人間文化研究科 2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科心療ターミナル医学分野 3東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医学分野 4東京都立荏原病院精神科

ページ範囲:P.273 - P.280

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【抄録】 情動情報に対する自動的/制御的処理過程について,確認強迫症状を示す強迫性障害患者(OCD患者)と強迫傾向が高い非臨床的強迫者(OCT者)との比較を行った。方法には情動ストループテストを用いた。刺激の種類は,不安語,強迫語,ポジティブ語,中立語の4種であり,それらを閾下,閾値,閾上の3条件で呈示し,被験者は刺激語の背景についた色をできるだけ早く答えることが求められた。意識が関与しない自動的処理過程(閾下)においては,OCD患者もOCT者も健常対照者に比べ,不安情報に対する感度が非常に高いことがわかった。しかし,意識が関与し始める段階(閾値)において,OCT者はOCD患者と異なり,不安情報への自動的処理を制御できることが明らかにされた。以上より,OCDは自動的処理過程だけでなく制御的処理過程にも問題があり,特に後者が発症メカニズムに関与していることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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