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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

うつ病治療における認知療法,薬物療法,併用療法の効果比較—医療判断学的研究

著者: 柏木信秀14 高橋徹2 井上和臣3

所属機関: 1鳴門教育大学大学院学校教育研究科 2信州大学医学部精神医学教室 3鳴門教育大学人間形成基礎講座 4現,大阪市立大和川中学校

ページ範囲:P.281 - P.289

【抄録】 単極性非精神病性うつ病の治療法として認知療法,薬物療法,認知療法と薬物療法の併用療法を選択し,その効果を医療判断学の手法で検討した。最初に治療転帰を判断樹として表現し,次に文献検索によって精選された7件の無作為臨床試験から各転帰について確率値と効用値を求め,最後にそれぞれの治療法に対する期待値を比較する感度分析を行った。その結果,併用療法が最良の治療法であることが推測された。また,治療に伴う副作用と脱落率が期待値の差異に影響すると思われた。医療判断学によって治療選択の精度を上げるには,認知療法と併用療法の副作用を明確にし,それぞれの治療転帰に対する効用の測定が不可欠であると考えられた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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