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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻3号

2000年03月発行

研究と報告

強迫性障害患者の洞察と治療反応性について

著者: 松永寿人1 切池信夫1 松井徳造1 岩崎陽子1 越宗佳世1 笠井慎司1 児嶋麻里1 宮田啓2

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2山西会津田病院

ページ範囲:P.291 - P.297

文献概要

【抄録】 強迫性障害(OCD)患者が,症状を不合理で過剰なものとする洞察の程度をYale-Brown Obsessive-Compulsive Scaleで評価し,洞察と治療反応性との関連について検討した。対象患者70例中61%が初診時に洞察良好と評価され(良好群),39%では洞察が不良であった(不良群)。不良群は良好群に比し,対称性や正確さ,儀式行為などの強迫症状がより高頻度で,強迫観念やうつ状態の重症度がより高度であった。治療開始半年後には,不良群の52%が洞察良好の状態となり,これらの強迫症状やうつ状態の改善率は良好群と同等で,不良群の中で洞察不良を持続していた患者に比し有意に高率であった。このようにOCD患者の洞察レベルは多様で,洞察自体は治療反応性に直接的には影響しないものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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