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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻3号

2000年03月発行

短報

てんかん発作重積として治療されたヒステリー発作重積状態の1例

著者: 兼本浩祐1 宮本敏雄1

所属機関: 1国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター

ページ範囲:P.307 - P.309

文献概要

 ヒステリー発作重積状態は,精神科救急の中では最も頻度の高いものの1つであり,発作重積状態として搬送される患者の何割かを占める重要度の高い病態である9)。ヒステリー発作重積状態とてんかん発作重積状態の鑑別は意外に困難であり,発作脳波同時記録が決め手となることが多い。しかしながら,発作重積状態においては,患者は不穏状態で激しい動きを伴うことも稀ではなく,容易に脳波を装着することができず,さらに脳波を装着しても筋電図の混入などから読み取りには熟練を要する場合も少なくない。
 今回我々は,2週間にわたっててんかん発作重積状態として呼吸管理を受けつつ,大量のベンゾジアゼピンの投与を連日受けながら全く発作が止まらなかったヒステリー発作重積状態の症例を経験したが,本症例においては発作脳波同時記録における「脳波異常の存在」が,診断の1つの根拠となっていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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