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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻4号

2000年04月発行

研究と報告

自己の妄想性誤認

著者: 岩瀬利郎1 豊嶋良一1 加藤温2 溝口明範3 山内俊雄1

所属機関: 1埼玉医科大学神経精神科 2東京都立松沢病院精神科 3溝口病院

ページ範囲:P.363 - P.371

文献概要

【抄録】 妄想性人物誤認症候群の中には他者だけではなく,対象として自己を含むものが存在し「リバース・タイプ」と呼ばれていた。今回筆者らは自己を対象とする「リバース・タイプ」の3症例を呈示し,「自己の妄想性誤認」という精神病理現象について考察を試みた。これら3症例はそれぞれSilvaらの提唱する妄想性人物誤認症候群の分類のうち,「自己の心理的同一性の変容症候群」,「自己の身体的同一性の変容症候群」,「自己の身体的および心理的同一性の変容症候群」のそれぞれ異なるサブタイプカテゴリーに属しており,そのうち2例はカプグラ症候群など他のカテゴリーが共存していた。3症例の診断はそれぞれ心因反応,覚醒剤精神病,精神分裂病であった。リバース・タイプは従来のタイプとは病因論的に異なること,さらに自己分身症候群は自己対象とはいえず,リバース・タイプには含まれないことが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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