文献詳細
研究と報告
血漿中HIV-RNA量の増加とともにAIDS痴呆コンプレックスが進行した1症例
著者: 平林直次1 前原良子1 金子雅彦1 飯森眞喜雄1 山元泰之2 福武勝幸2
所属機関: 1東京医科大学病院神経精神医学教室 2東京医科大学病院臨床病理学教室
ページ範囲:P.379 - P.385
文献概要
ほとんどの抗HIV薬は血液・脳関門を経て十分に中枢神経系へ移行することは困難である。このように抗HIV薬の中枢神経系への移行率は低値であることから,血漿中と髄液中とではIHV-RNA量に解離が起こる可能性がある。また,血漿中と髄液中では薬剤耐性が異なるHIV株が出現する可能性もある。以上を踏まえると,今後ADCの進行と,血漿中さらには髄液中HIV-RNA量,および薬剤耐性との関係を検討する必要がある。
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