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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻4号

2000年04月発行

文献概要

研究と報告

β遮断薬が有効であった遅発性ジスキネジアの1症例

著者: 佐々木幸哉12 小林淳子2 池田輝明1 田中千賀1 千秋勉1 村木彰1

所属機関: 1市立小樽第二病院精神科神経科 2北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.387 - P.391

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【抄録】 β遮断薬が著効した遅発性ジスキネジア(TD)の1症例につき報告する。症例は精神分裂病の25歳女性で,抗精神病薬の投与開始2年後より種々の不随意運動が出現し,ADLが大きく障害されるようになった。TDの診断のもとに,propranololの投与を開始したところ,明らかな副作用を伴うことなく,不随意運動の著明な改善が得られた。TDはpropranololの減量・中止によって再燃し,選択的β1遮断薬であるmetoprololの投与によってもやはり改善した。様々な知見から,β遮断薬は線条体においてβ1受容体を遮断することでドーパミン伝達を抑制し,TDに奏効する可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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