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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻4号

2000年04月発行

研究と報告

精神分裂病およびその他の精神病性障害のECT前後における局所脳血流量の変化

著者: 大神博央1 穐吉條太郎1 児島克博1 堤隆1 葛城里美1 清田晃生1 中山晃一2 三宅秀敏2 永山治男1

所属機関: 1大分医科大学精神神経医学教室 2大分医科大学放射線医学教室

ページ範囲:P.393 - P.398

文献概要

【抄録】 ここ10数年,精神分裂病患者における脳機能画像研究が盛んに行われるようになった。しかし一致した所見が得られているとは言い難い。今回我々は精神分裂病および特定不能の精神病性障害と診断された患者7名を対象として,99mTc-hexamethylpropyleneamine oximeとSingle Photon Emission Computed Tomographyを用いてElectroconvulsive Therapy治療前後の局所脳血流量を測定した。ROIはMATSUI & HIRANOアトラスをもとに左右併せて50個設定した。緊張病症状が改善した2例においては左側頭葉,左前頭葉,左頭頂葉において脳血流増加がみられた。被害妄想が消失した3例,幻聴が消失した4例においては部分的に左側頭葉の血流増加がみられた。血流増加は緊張病症状に状態依存的に関係すると考えられた。左側頭葉へのECT自体と健忘の影響を考慮すると幻聴,妄想の改善に伴い状態依存的に血流が増加したとは断言できないと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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