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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻4号

2000年04月発行

資料

有意味語消失で示される発達退行を呈する広汎性発達障害児の早期発達についての研究

著者: 久保田友子1 立森久照1 長田洋和1 渡邊友香1 瀬戸屋雄太郎1 長沼洋一1 栗田広1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野

ページ範囲:P.413 - P.418

文献概要

 広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorder;以下PDDと略す)は,①相互的な社会的かかわりの質的障害,②コミュニケーションの障害,および③興味・関心,活動の狭さ,偏りや執着的あるいは常同的な傾向という3つの大きな発達領域の障害によって特徴づけられる状態とされている2)。このPDDの下位カテゴリーの中核をなすのは自閉性障害であり,我が国での有病率は1/1,000強とされている7,15)。またPDD全体の有病率は,子どもの人口中で2/1,000程度と推定されている18)
 発達障害児の早期発達についての研究は,主に母親による回顧的情報によってなされているものが多い。発達の遅れは,明確な一時点で発現はせず,一定の経過中に徐々に明確になるものであり,回顧的方法に依存する部分が大きいことはやむをえないことである。しかし回顧的方法の限界や,得られた情報の不確実性が指摘されてきた5,17)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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