icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻5号

2000年05月発行

特集 精神疾患の発病規定因子

強迫性障害の発病状況—治療的観点から

著者: 本村啓介1 山上敏子1

所属機関: 1国立肥前療養所情動行動障害センター

ページ範囲:P.499 - P.507

文献概要

はじめに
 強迫性障害(obsessive-compulsive disorder;以下OCD)は一般人口の1.3〜2%にみられる精神疾患であり10),反復的,持続的な思考,衝動,心像(強迫観念)と,それに反応して起こる反復的行動(強迫行為)を呈する。発病に関与する状況要因としては,学習理論の見地から外傷的な条件付け体験や強いストレスを与える生活史上の出来事が挙げられ,また生物学的要因としては,画像研究から眼窩前頭回路の発達および機能異常が,薬物療法の経験からセロトニン放出の調節障害が唱えられている。OCDの発病状況は症例により様々であるが,治療においては,行動療法(暴露反応妨害法)と薬物療法(clomipramine,fluvoxamineなど)が大半の症例で効果を上げている。その一方で,発病状況と臨床像や治療効果に何らかの関連があることがわかれば,より適切で予見性を持った治療が可能になると考えられる。そのような目的で,今回国立肥前療養所で治療中のOCDの症例の発病状況について調査し,その結果について検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら