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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻6号

2000年06月発行

文献概要

研究と報告

10年以上にわたって挿間性意識変容状態を反復した肝外短絡血管による肝性脳症の1症例

著者: 赤川祐典1 穂積慧1 増田豊2 阿部政二郎1 菱川泰夫1 清水徹男2

所属機関: 1協和病院 2秋田大学医学部精神科学講座

ページ範囲:P.585 - P.590

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【抄録】 肝機能障害により,せん妄,興奮などの多彩な精神症状が出現することはよく知られており,とりわけ,挿間性の意識障害を繰り返す病態を呈するものには,肝硬変などの肝障害がある。しかし,肝機能障害や門脈圧亢進を伴わない場合は,他の病因による精神障害との鑑別が困難である。我々は,10数年間にわたり挿間性の意識変容状態を呈した症例が肝外短絡血管を有し,その血管遮断により,意識障害の反復がみられなくなったことから,この症例の診断が門脈・大循環性脳症(portal-systemic encephalopathy)と判明した症例を経験した。そこで,本症例の臨床症状,特に精神症状の経過と特徴を検査結果とともに考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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