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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻6号

2000年06月発行

研究と報告

うつ病患者における再燃・再発の危険因子

著者: 田所千代子1 宮岡等2 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室 2北里大学医学部精神科

ページ範囲:P.591 - P.597

文献概要

【抄録】 うつ病患者52例の寛解退院後2年間の経過を遡及的に調査し,非再燃・再発群(A群),再燃・再発群(B群)に二分し再燃・再発の危険因子を検討した。B群の再燃・再発時期は寛解退院後6か月以内が86.4%を占めていた。抗うつ薬の1日平均投与量は退院時,退院後1か月,2か月もB群が有意に低用量となっていた。CGIによる精神症状,初発年齢,過去のうつ病相数,性別,病前のGAF尺度得点などは両群間で有意差は認められなかったが,退院時のハミルトン抑うつ尺度の病識項目得点がB群で有意に高値であった。再燃・再発の防止には寛解退院後少なくとも6か月は抗うつ薬の急激な減量は避けるべきであり,患者には再燃・再発を念頭に置いた服薬指導,疾病への理解を促すことが重要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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