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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻6号

2000年06月発行

文献概要

短報

制汗スプレー剤の習慣的吸入により精神病性障害を呈した1例

著者: 渡邉温知1 道又利1 酒井明夫1 大塚耕太郎1 氏家憲一1 星克仁1 安田重1

所属機関: 1岩手医科大学神経精神科学講座

ページ範囲:P.623 - P.625

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 薬物の依存,乱用は我が国においても大きな社会問題であり,特に近年は低年齢化や大衆化といった傾向が著明である。こうした状況に対して,種々の法律による取締りや啓蒙活動がなされている。しかし,最近注目を浴びたいわゆる「合法ドラッグ」の問題をはじめとして,既成の法律に規定された範囲を超えて,依存・乱用の対象が拡大し多様化する今日の状況においては,対応に苦慮する場面も多い。今回我々は,制汗デオドラント剤の習慣的吸入により精神病様症状を呈し,入院治療を行った女性例を経験した。制汗剤の使用による精神病性障害の例は極めて珍しく,現代の依存・乱用の多様化を考察する上で有用であったため,若干の検討を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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