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多動性障害(注意欠陥多動性障害)の臨床と生物学的背景
著者: 市川宏伸1
所属機関: 1東京都立梅ケ丘病院
ページ範囲:P.676 - P.687
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近年,教育界を中心に,「落ち着きがない」,「不注意が目立つ」,「我慢できない」などを特徴とする子どもの報告が増加している。これらの子どもは,知的水準に比べて学業成績が低いため,“努力をしない子ども”,“怠け者”とされることが多く,適切な対応がなされないと,行動上の問題を呈することも知られている。これらの症状を主訴として子どもの精神科を訪れる患者が,この数年間著しく増加しており,多くは多動性障害(注意欠陥多動性障害)と診断されている。臨床現場では,周囲の環境調整や,薬物の使用などいくつかの対応策がとられているが,必ずしも十分な改善が得られていない。筆者の経験をもとに,臨床現場の状況と薬物療法を含めた生物学的背景を記してみたい。
近年,教育界を中心に,「落ち着きがない」,「不注意が目立つ」,「我慢できない」などを特徴とする子どもの報告が増加している。これらの子どもは,知的水準に比べて学業成績が低いため,“努力をしない子ども”,“怠け者”とされることが多く,適切な対応がなされないと,行動上の問題を呈することも知られている。これらの症状を主訴として子どもの精神科を訪れる患者が,この数年間著しく増加しており,多くは多動性障害(注意欠陥多動性障害)と診断されている。臨床現場では,周囲の環境調整や,薬物の使用などいくつかの対応策がとられているが,必ずしも十分な改善が得られていない。筆者の経験をもとに,臨床現場の状況と薬物療法を含めた生物学的背景を記してみたい。
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