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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻7号

2000年07月発行

研究と報告

精神分裂病のminor physica anomaly(MPA)

著者: 村松大1 磯野浩2 岡島由佳2 篠田淳子2 岩波明3 井口喬4 上島国利2

所属機関: 1川崎市立川崎病院精神科 2昭和大学医学部精神医学教室 3東京大学医学部精神医学教室 4昭和大学附属烏山病院

ページ範囲:P.689 - P.695

文献概要

【抄録】 74例の精神分裂病患者を対象に,一部改変したWaldropのスケール(日本語版Waldropのスケール)を用いてminor physical anomaly(MPA)を評価し,健常者の所見と比較するとともに,臨床的指標および頭部CT像との関連を検討した。健常群と比較して患者群では,男女とも日本語版Waldropのスケールの得点が有意に高得点であった。MPAの項目では,頭囲,両眼解離,耳介変形,高口蓋,溝状舌,第5指内彎の各項目において,異常の頻度が高かった。患者群においては,日本語版Waldropのスケールの合計点とBPRSの合計点,頭部CT像の脳実質面積,脳室面積との間に有意な相関を認めなかったが,低MPA群と比較して高MPA群において,頭部CT像の脳実質面積,頭蓋内腔面積が有意な低値を示した。以上の結果は,精神分裂病の神経発達障害仮説を支持するものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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