文献詳細
研究と報告
文献概要
【抄録】 精神遅滞に伴う行動障害に対する向精神薬の使用状況を,和歌山県内の17歳以上の精神遅滞者742名を対象として調査した。285例(38,4%)が何らかの向精神薬を服用していた。抗てんかん薬のみを服用していた121例を除いた164例の向精神薬の使用率は,30歳代で最も高く,20歳未満で最も低かったが,性別や精神遅滞の重症度による差は認められなかった。居住状況別では,在宅(14.5%),施設入所(27.7%),入院(75%)の順に高かった。てんかんや運動障害のある例やダウン症候群の例では向精神薬の使用は有意に少なく,知的障害を有する自閉症の例では34.2%に向精神薬が投与されていたが有意差は認められなかった。
掲載誌情報