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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻7号

2000年07月発行

文献概要

短報

Rhabdomyolysis回復後にKorsakoff症候群を呈したアルコール依存症の1例

著者: 藤本佳世1 松井徳造1 永田利彦1 松永寿人1 小田裕2 新藤光郎2 小出誠司3 切池信夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室 2大阪市立大学医学部麻酔・集中治療学教室 3こいでクリニック

ページ範囲:P.745 - P.748

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 横紋筋融解症(rhabdomyolysis)は,何らかの原因により骨格筋細胞の融解変性・壊死を来し,筋細胞の内容物が細胞外に遊出する状態で,高度となるとミオグロビン尿症を伴う急性腎不全を引き起こし,早期に診断し適切な処置をとらないと,死に至る疾患である。このような病態は,当初は外傷に伴うもの2)が報告されていたが,その後,種々の非外傷性の原因でも発症し,多くは,アルコールなどの薬物によって引き起こされることが知られるようになった3,8)。比較的まれな病態ではあるが,透析医療などの関係者では比較的よく知られる病態となっている5)。一方,Wernicke-Korsakoff症候群は,アルコール依存症患者(以下,ア症者)にみられる病態として,よく知られているが,近年,ビタミン剤の普及により忘れられていた。しかし,ア症者以外でも出現することが知られており,最近,その発症に注意するように繰り返し警告されている14)。今回,我々は,ア症者で上の2つの症候群を合併したと考えられる症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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