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雑誌目次

論文

精神医学42巻8号

2000年08月発行

雑誌目次

巻頭言

精神医学・医療と新ミレニアム

著者: 前田潔

ページ範囲:P.786 - P.787

 今年および来年は節目の年である。新ミレニアムあるいは新世紀の始まりに合わせるかのように新しい試みがスタートしたし,またあるいはスタートしようとしている。我が国の精神医学・医療においてもさまざまに節目になる年である。まず日本精神神経学会では設立100年を迎える。学会誌は一昨年に100巻を超えた。さらに同学会は,我が国ではむろんアジアでも初の世界精神医学会(WPA)総会を開催しようとしている(開催は2002年)。そのほかに今年4月から介護保険が実施された。また医療法の改正の中で卒後臨床研修の必修化が国会で議決された。
 筆者が勤める大学では,卒後臨床研修必修化に伴うスーパーローテートが今年開始された。従来,卒後臨床研修は大学附属病院で行われてきた。厚生省がプライマリーケア医の養成が重要と判断して卒後臨床研修必修化案が出てきた。もう10年近く前からの案である。実現されなかったのは財源問題であるといわれている。臨床研修医の給料が出ないということである。一昨年,全国国立大学医学部長病院長会議では常置委員会が研修実施案を発表した。全国の医科大学および医学部では昨年あるいは今年から,大なり小なりこの案を基本に研修カリキュラムを組んでいると聞いている。国立大学がこのように厚生省の案を先取りする形でスーパーローテートを急ぐのは,厚生省に対して,「大学病院だけでも十分,卒後臨床研修は可能ですよ」ということを示したかったのだと言われている。厚生省は大学病院に若い医者が集まっているのはよいことではないという判断のもと,卒後臨床研修は国公立病院や有力民間病院でも行われるべきであると考えていると伝えられている。

展望

治療抵抗性分裂病の心理社会的治療

著者: 池淵恵美

ページ範囲:P.788 - P.800

本稿の目的
 非定型抗精神病薬の登場により,精神分裂病の治療には新たな展望が開けつつあるが,精神症状の改善にとどまらず疾病からの回復過程を援助する上では,生物・心理・社会的な視点から包括的な治療をすることの重要性はいささかも減じていないと思われる。本稿は,稲垣ら51)の治療抵抗性分裂病についての優れた総説に触発されて,書かれたものである。治療抵抗性分裂病の心理社会的側面に焦点を当て,その治療に的を絞って近年の動向を展望し,我が国において今後普及が望まれる治療法について提言したい。
 これまで,薬物療法の導入に伴い長期転帰が改善していることが報告されている。1895年から1992年までの320件のメタ分析を通じて,Hegartyら39)は,20世紀前半(1895〜1955)には平均6年間の追跡期間後の分裂病改善率は35.4%であったが,後半(1956〜1985)には,48.5%と上昇しており,診断基準が広くなった影響とともに,抗精神病薬導入が大きかったことを指摘している(なお,ここ10年は再び36.4%に減少しており,Hegartyらは診断基準が厳密になった影響ではないかとしている)。またWyatt92)は薬物療法の経過との関係を解析した22研究をレビューして,初発の分裂病に早期から薬物療法を行うことで,長期的な改善が見込めることを指摘している。一方で従来型の抗精神病薬の限界も指摘されており,①5〜25%の患者が薬物抵抗性で73),②また5〜25%の患者が副作用などの理由で治療量を維持できず73),③再発防止効果というよりは再発延長効果といったほうが適切であること94),④陰性症状への効果が不十分,⑤長期維持療法には弊害のあることなどである。クロザピンをはじめとする非定型抗精神病薬によって,これらの限界のいくつかが克服されつつあるとはいえ,非定型抗精神病薬によっても本来の機能水準に回復しうるのはごく一部の人であるとの指摘がある55)

研究と報告

精神分裂病患者の社会生活技能訓練(SST)プログラム参加への積極性(Level of Participation)—認知機能,精神症状との関係

著者: 渡辺明 ,   笠井清登 ,   福田正人 ,   岩波明 ,   中込和幸 ,   舳松克代 ,   大野孝浩 ,   秋元貴美子 ,   伊藤哲司 ,   浅井久栄 ,   神尾聡 ,   村上忠 ,   畑哲信 ,   橋本大彦 ,   加藤進昌

ページ範囲:P.801 - P.807

【抄録】 精神分裂病患者のリハビリテーション場面における意欲を定量化・客観化する試みとして,社会生活技能訓練(SST)プログラム参加への積極性(Level of Participation)を評価する尺度を作成し,精神症状・認知機能との関連を検討した。週1回,全14回のSSTプログラムに参加した精神科デイケア通院中の精神分裂病圏患者23例を対象として,プログラムへの出席回数・プログラム参加への積極性と,Positive and Negative Syndrome Scale(PANSS)得点,WAIS-R成績,Wisconsin Card Sorting Test(WCST)成績との相関を求めた。SSTプログラムへの出席回数はPANSSの陽性得点・総合精神病理得点と有意な負の相関を示し,プログラム参加への積極性は陰性得点と有意な負の相関を示したが,出席回数・参加への積極性ともにWAIS-RやWCSTの成績とは有意な相関を示さなかった。精神科リハビリテーション場面における参加者の意欲を反映すると考えられるSSTプログラム参加への積極性は,要素的な認知機能とは直接関連せず,精神症状と関連が深いことが示唆された。

精神障害者ケアガイドライン検討委員会版ケアアセスメント票の開発と評価—ケア必要度と社会的不利尺度の信頼性と妥当性

著者: 大島巌 ,   長直子 ,   安西信雄 ,   高橋清久

ページ範囲:P.809 - P.817

【抄録】 1998年に発表された精神障害者ケアガイドラインでは,精神保健の経験が乏しい市町村関係者などでも実施できる用具類を開発した。ケアアセスメント票はその中心で,利用者の希望のほか,専門職評価としてケア必要度と社会的不利尺度を評価する。本研究ではこの2尺度の信頼性と妥当性を検討した。調査は全国調査(n=455)と詳細調査(n=72)を行った。その結果Cronbachα係数や評定者間信頼性,再評価信頼性はほぼ十分な値が得られた。また,併存的妥当性や因子妥当性,構成概念妥当性もおおむね十分だった。最後に既存の社会機能評価尺度に加えて,ケアアセスメント票に新しい尺度を導入することの意義を考察した。

精神分裂病におけるいわゆる「聴覚性パレイドリア」について

著者: 佐藤晋爾 ,   堀孝文 ,   鈴木利人 ,   白石博康

ページ範囲:P.819 - P.826

【抄録】 パレイドリアとは,Jaspersによって錯覚の一型として定義された知覚異常体験で,情動や注意の集中とは関係なく,不明瞭な知覚対象を明瞭な形のものに誤って認識する体験である。この体験はその語源から暗黙のうちに「視覚」の錯覚体験ととらえられてきたと考えられる。しかし,実際には聴覚において認められるパレイドリアも稀ならず存在していると思われ,特に分裂病にみられる同現象に関する具体的な症例報告は従来ほとんどなされず,その精神病理学的位置づけの議論は看過されてきた。
 本稿ではいわゆる「聴覚性パレイドリア」を病的体験として認めた3症例を呈示し,精神分裂病におけるパレイドリアの成立について考察し,その精神病理学的位置付けについて検討した。

大学生のメンタルヘルス—UPIとMMPIの関係について

著者: 牛麗莎 ,   松井三枝 ,   山下直宏 ,   倉知正佳

ページ範囲:P.827 - P.833

【抄録】 メンタルヘルスの観点から,大学新入生にUPIとMMPIを施行し,両者の関連の有無を検討した。結果,UPI合計得点といずれのMMPI基礎尺度との間にも強い関連は認められなかった。UPI各因子といくつかのMMPI基礎尺度の間に弱い関連が認められた。さらに,MMPIのSc尺度のみでUPIの合計得点の高得点者(上位5%)が低得点者(下位5%)よりも有意に高かった。以上より,ごく少数の学生のみがMMPIとUPI双方で高得点をとっていることが示された。大多数の学生の精神病理やパーソナリティについて詳細にみるためにはMMPIが有用であることが示唆された。

右優位の大脳萎縮・血流低下を認め,治療開始に伴い精神症状の急激な増悪をみた進行麻痺の1例

著者: 寺田整司 ,   家森紀光 ,   石津秀樹 ,   黒田重利 ,   甲平一郎 ,   阿部康二

ページ範囲:P.835 - P.839

【抄録】 右半球優位の大脳萎縮・血流低下を認め,治療開始に伴い精神症状の急激な増悪をみた進行麻痺の1例を経験した。症例は43歳男性で,歩行障害・構音障害にて発症し,変性疾患を疑われて神経内科入院となったが,大量ペニシリン静注療法の開始に伴い,精神症状の急激な増悪が認められ,精神科転科となった。精神症状は急速に落ち着き,歩行障害・構音障害も軽快した。頭部MRIで右半球優位の大脳萎縮が,さらに脳血流SPECTでは明らかな右半球優位の血流低下が認められ,心理検査からは前頭葉障害が強く疑われた。

けいれん発作を契機として悪性症候群の再燃がみられた1症例

著者: 溝口義人 ,   田中和宏 ,   門司晃 ,   田代信維

ページ範囲:P.841 - P.846

【抄録】 症例は,60歳の躁うつ病の男性で,抗うつ薬変更により,悪性症候群を発症した。ダントロレン使用後,症状は速やかに軽快したが,嚥下困難による誤嚥性肺炎を合併し,β-ラクタム系抗生剤のピペラシリン,イミペネムを使用した。しかし,いずれのβ-ラクタム系抗生剤使用でも,けいれん発作が誘発され,その後悪性症候群の症状再燃がみられた。今回の経験から,悪性症候群に合併する感染症に対して,抗生剤を慎重に選択する必要があることが示唆された。

神経性食思不振症経過中に骨折を起こした3症例

著者: 河原田洋次郎 ,   永田利彦 ,   切池信夫 ,   池谷俊哉 ,   田中秀樹 ,   山上榮

ページ範囲:P.847 - P.850

【抄録】 大腿骨骨頸部,頸椎,骨盤の骨折を合併した神経性食思不振症,過食浄化型の3症例を経験した。いずれの症例も罹病期問は10年以上,無月経期間は9年以上の慢性症例で,骨折時の腰椎骨密度は0.41〜0.70g/cm2と若年者の平均骨密度の70%未満であり,続発性の骨粗鬆症を呈していた。骨折治療の入院中においても食行動異常は継続し,身体管理などの点で困難を極めた。しかし,3症例のうち比較的若年の2症例は退院後,食行動異常がいくぶん軽減し,骨折が改善への契機となった可能性が考えられた。

短報

胃全摘術後に出現したビタミンB12欠乏性代謝性脳症の1例

著者: 谷内弘道 ,   千葉茂

ページ範囲:P.851 - P.854

 ビタミンB12欠乏(以下,B12欠乏)は,胃切除などによる吸収不全や先天的な要因(B12移送蛋白の欠如,小腸粘膜レセプターの異常,内因子の欠如など)によって生ずることが知られている8)。このB12欠乏による代謝性脳症の報告は,本邦では極めて少ない。我々は,胃全摘の手術後10年目にB12欠乏性代謝性脳症が出現し,この脳症に対してmecobalamin(以下,CH3-B12)の投与が有効であった1例を経験したので報告する。

精神医学における日本の業績

森田正馬業績

著者: 大原健士郎

ページ範囲:P.855 - P.861

「序」に代えて
 森田正馬(1874〜1938)は1874年(明治7年)1月18日に高知県の片田舎,冨家村(現在の野市町)で出生した。父22歳,母26歳の時の子である。家業は裕福な農家だったが,父親は農業のかたわら,小学校の代用教員をしており,厳格だった。母親はむしろ溺愛型だった。
 森田は幼名を光といったが,長ずるにつれて正馬と呼ばれた。森田は晩年になるまで母親や親戚の人たちからも正馬と呼ばれ,現在では正馬と呼ぶ学者も多いが,父親が村役場に届け出た名前は正馬だった。森田自身も第58回形外会(1936年6月27日)で,患者たちに「私の名は,本当は正馬でなく,マサタケと読みます。馬の一字名もあるが,その時はタケシと読みます……」と述べている。森田は自分の名前をどう呼ばれようとあまりこだわらなかったようであるが,筆者自身は公の場(論文や学術講演など)では,意識的にマサタケと呼ぶようにしている。

資料

時計分類—老人性痴呆患者の痴呆状態の分類

著者: 長嶺敬彦

ページ範囲:P.863 - P.867

はじめに
 高齢社会の到来で,老人性痴呆患者は有病率,実数ともに増加している。21世紀の医療・福祉を考えるとき,痴呆の問題は避けて通ることができない。確かに老人性痴呆の病因論に関する研究は,ここ十数年急速に進歩を遂げている。例えば,CTスキャン,MRI,SPECTなどの画像診断の進歩は,脳血管性痴呆の病態や病因論の解明に寄与している。また分子生物学を応用した研究では,アルツハイマー型痴呆の病因として量要である老人斑アミロイドの性質が解明されつつある。
 しかし,看護者からみた痴呆性老人の痴呆症状の実践的な分類や対処方法に関する研究はいまだに少ない。そこで今回,痴呆性老人の示す随伴症状を調査し,クラスター分析を行い,時刻を用いた分類を考案したので報告する。

不登校を主訴に外来を訪れた児童,青年の統計的研究

著者: 岡田章 ,   郭麗月

ページ範囲:P.869 - P.875

はじめに
 不登校(または登校拒否)の児童,青年は1970年代より年々増加の傾向にあり,1998年度の文部省の統計によれば学校嫌いによる30日以上の長期欠席者は全小学生の0.34%(295人に1人),全中学生の2.32%(43人に1人)に達した。このような状況は,新聞その他のマスコミによって伝えられ,不登校(または登校拒否)という用語は現在日常用語化している。今回の研究の目的は不登校を主訴に近畿大学医学部附属病院精神神経科外来を受診した児童,青年を調査し統計的に分析することであった。なお当科外来は大阪南部における唯一の大学病院の精神神経科で,近くに2大ニュータウンを抱えるという立地条件のもとで,1975年5月1日より診療を開始した。開院より3回の外来統計調査1,3,10)では18歳以下の児童青年初診患者は年平均200〜250名で,学年の偏りもほとんどみられない。

大学生における摂食障害の実態—全国調査の結果から

著者: 武井明 ,   玉川憲子 ,   佐藤仁 ,   奥野晃正

ページ範囲:P.877 - P.882

はじめに
 神経性無食欲症(Anorexia Nervosa;以下,ANと略)や神経性大食症(Bulimia Nervosa;以下,BNと略)などの摂食障害は,近年,青年期の女性を中心に著しく増加しているが,その病因は未だ十分に解明されておらず,有効な治療法も確立されているとはいえない。また,最近ではANよりも正常体重で過食とダイエットを繰り返すBNの増加が目立ち,その病型に変化も認められるようになった5〜7,11,12)
 青年期後半にあたる大学生においても摂食障害が少なくなく,発症には至らないがその疾患予備群の学生が多数存在していると指摘されている3,9,16)。しかし,これまでに大学生における摂食障害の実態は十分に調査されているとはいえない。
 今回我々は,大学生における摂食障害の実態を明らかにするために,大学保健管理施設を利用している摂食障害の学生に関する全国調査を実施したので,その結果について報告する。

私のカルテから

精神科医と神経内科医の診断プロセスの違い—多彩な精神症状を呈し診断が困難であった1例をめぐって

著者: 熊木徹夫

ページ範囲:P.884 - P.885

 筆者の勤務する病院は,26科からなる総合病院である。今回筆者は,多彩な精神症状を呈した1例の診断・治療にあたり,診断に難渋したことからいくらかの考察を得るに至った。それについて述べたい。

動き

「第3回国際神経精神医学会」印象記

著者: 小阪憲司

ページ範囲:P.886 - P.887

 第3回国際神経精神医学会(第5回日本神経精神医学会とのジョイント学会)は,三好功峰会長(日本神経精神医学会理事長)のもとで,2000年4月9日から13日にかけて,桜の花がきれいな最高の時期に,京都国際会館において開催された。
 第1回の国際学会は,1996年にWPA国際学会がスペインのマドリッドで開催された後にセビリアで開催され,三好教授が参加された。第2回国際学会は,1998年にカナダのトロントでShapiro教授(国際学会の理事長)により開催され,この時に正式に理事会が結成された。我が国では三好教授が理事として参加され,国際委員会も結成され,筆者がその一員になったが,委員会には筆者の代わりに佐藤甫夫教授(千葉大)が参加された。これら2回の国際学会の参加者は200人ほどで,国際学会としては小規模なものであった。そういう意味では,今回の学会が最も国際学会らしい会となり,初日の開会式を除いて,4日間盛りだくさんのスケジュールが組まれた。演題数は343題で,約30か国から637名の参加者(そのうち,外国人は約200名)があり,予想の2倍以上の参加者があり,また国際的に著名な教授も多く参加し,小さいながら内容の濃い国際学会となった。

「第22回日本生物学的精神医学会」印象記

著者: 小澤寛樹

ページ範囲:P.888 - P.889

 桜の季節の始まりに第22回日本生物学的精神医学会は,2000年3月30日から4月1日の3日間にわたり,東邦大学医学部精神神経医学講座鈴木二郎会長のもとで,花の名所千鳥ヶ淵の傍ら,日本都市センター会館において開催された。分子生物学・遺伝学の進歩により心の病の原因に迫れる時代が近づいてきたとの大会長の思いから,本年度のメインテーマは「精神疾患の原因」であり,このコンセプトをもとに各企画がなされたと聞く。
 大会初日の若手プレシンポジウムでは,大久保善朗(東京医科歯科大),加藤忠史(東京大)の発案により「病因解明への新しいアプローチ—夢と未来と現在」のテーマにて,分子生物学的なものから脳コンピューターの話まで広く取り上げられ,今後の研究のストラテジーを概観する形で行われた。須藤康彦(放射線医学総合研究所)は「レセプターイメージングの最近の進歩」と題して,ワーキングメモリーとD1受容体数の変化をPETにより測定し検討した。渡辺英寿(東京警察病院)は「近赤外線非侵襲脳血流マッピング法による脳高次機能の解析」として,今までにない簡便な方法で,無侵襲,リアルタイムで脳血流が測定できることを紹介した。角谷寛(Stanford大)は最近話題になっている「ナルコレプシーの遺伝子解析」について発表し,クローニングにより典型的ナルコレプシー犬で原因遺伝子がOrexin/hypocretin受容体D2であることを,さらにヒト孤発例の脳脊髄液においても同様の異常を発見したとする内容であった。今後,精神科領域でも応用が期待される「マイクロアレイとトランスクリプトーム解析」の話を田中利男(三重大)が提供し,最後に松本元(理化学研究所)が「脳型コンピューターとその精神医学への応用」のテーマで,もしコンピューターにヒトと同じように生存目標を与えておけば,ヒト以上に優れた手段を生み出していくことや,コンピューターに感情を作ることが可能であることを示し,その開発には人の心の病の十分な理解が重要であることを指摘した。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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