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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻8号

2000年08月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病におけるいわゆる「聴覚性パレイドリア」について

著者: 佐藤晋爾1 堀孝文2 鈴木利人2 白石博康2

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系精神医学

ページ範囲:P.819 - P.826

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【抄録】 パレイドリアとは,Jaspersによって錯覚の一型として定義された知覚異常体験で,情動や注意の集中とは関係なく,不明瞭な知覚対象を明瞭な形のものに誤って認識する体験である。この体験はその語源から暗黙のうちに「視覚」の錯覚体験ととらえられてきたと考えられる。しかし,実際には聴覚において認められるパレイドリアも稀ならず存在していると思われ,特に分裂病にみられる同現象に関する具体的な症例報告は従来ほとんどなされず,その精神病理学的位置づけの議論は看過されてきた。
 本稿ではいわゆる「聴覚性パレイドリア」を病的体験として認めた3症例を呈示し,精神分裂病におけるパレイドリアの成立について考察し,その精神病理学的位置付けについて検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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