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研究と報告
年齢誤認を示した慢性精神分裂病患者の10年フォローアップ
著者: 鶴田聡1
所属機関: 1慈光会病院
ページ範囲:P.921 - P.927
文献購入ページに移動【抄録】 長期入院中の慢性精神分裂病患者51例を,年齢誤認の有無の確認とともに,記憶テスト,長谷川式スケール,精神症状などの評価をしながら10年間フォローアップし,年齢誤認の転帰を検討した。死亡例やドロップアウト例を除く40例は,持続的年齢誤認群6例,一時的年齢誤認群9例,持続的非年齢誤認群18例,痴呆化群7例に分けられた。年齢誤認は可逆的な現象であり,その出現・消退は患者の病状や生活態度の変化を伴うことが多かった。持続的および一時的年齢誤認群も痴呆化群と同様に進行的な認知障害を示したが,痴呆化群とは様相が大分違っていた。観察開始時年齢誤認例は観察開始時非年齢誤認例に比し痴呆化群が多かった。
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