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研究と報告
都市近郊新興住宅地で発症したfolie à quatreの1家族例
著者: 森山成彬1
所属機関: 1八幡厚生病院
ページ範囲:P.929 - P.938
文献購入ページに移動【抄録】 都市近郊新興住宅地で発症したfolie à quatreの家族例を報告した。発端者は所帯主の父親で妄想型精神分裂病に罹患し,その被害妄想が妻と娘二人に伝播していた。親族の介入と外来治療で続発者の3人の感応状態は治癒した。発端者が脊髄損傷による身体障害者であり,家族の結束が強く,親類や地域との交流が少ないことが感応醸成の要因になっていた。国内外の4人以上の感応精神病の報告26例と比較して,感応の時代性と地域性,家族の閉鎖性と結合性,発症状況と治療,さらに,いわゆる集団ヒステリーとの対比や,カルト集団内における共有された妄想的信念との差違について考察した。
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