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文献詳細

雑誌文献

精神医学42巻9号

2000年09月発行

研究と報告

摂食障害を合併したAsperger障害の1例

著者: 佐藤晋爾1 水上勝義2 山口直美2 石川正憲3 大野柾江1 鈴木利人2 白石博康2

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系精神医学 3栗田病院

ページ範囲:P.963 - P.968

文献概要

【抄録】 摂食障害を合併したAsperger障害の1例を報告した。患者は17歳の女性。10歳時より,強迫性障害や幻視を伴う不穏状態のため入退院を繰り返していた。16歳時,親戚の一言を契機にダイエットを試み,その後反跳性に過食が出現した。入院時,節食,過食行為,家族に対する暴力行為を認めた。入院後,行動療法,認知療法,集団療法を施行したが,体重増加が思うようにいかないことによる焦燥感と病棟内の対人関係の問題から,在宅治療に切り替えたところ状態は改善した。
 本例の摂食障害の発現にはAsperger障害に特有の強迫性,対人関係の問題が関与しているものと考えられた。また,治療についても本障害の特徴に留意した対応が必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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