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短報
精神病院入院患者に対するインフルエンザワクチンの効果
著者: 長嶺敬彦1 村田正人1 阿部彰1 池田まな美1 大賀哲夫1 岡村功1 添田光一郎1 本間純子1 渡広子1 和田方義1
所属機関: 1清和会吉南病院
ページ範囲:P.973 - P.975
文献概要
インフルエンザは,冬季の代表的な流行性呼吸器感染症の1つである。感染経路はエアロゾールによる空気感染(飛沫感染)で,感染力が強いため,流行期には多数の患者が発生する。一方,インフルエンザワクチンの接種は,1994年度の予防接種法の改正により任意接種となり,接種者が大幅に減少し,インフルエンザウイルスに対して無防備な集団が増加している。
そこで今回我々は,精神病院の入院患者を対象として,インフルエンザワクチンの効果を検討するため,インフルエンザ様疾患の発症率を前向きで調査した。インフルエンザワクチンの接種は,インフルエンザ様疾患の発生を完全に阻止できなかったが,発症率の低下と重症化の阻止効果が認められた。
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