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自分の考えが声になって聞こえるという考想化声Gedankenlautwerdenは,1930年代にSchneider, K. が,話しかけと応答,行為批評と並列する形で一級症状に含めた分裂病の代表的な言語幻聴である。しかし,彼に先立つ記載や臨床上の特徴に言及されることは少ない。我々は本稿の前半でヨーロッパにおける考想化声概念の成立と変遷をたどり,後半においては分裂病に占めるその症候学的な意義について,今日可能な展望を試みたい。
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