文献詳細
研究と報告
乳がん患者に対する構造化精神科介入とその影響要因に関する研究
著者: 平井啓1 保坂隆2 杉山洋子2 柏木哲夫1
所属機関: 1大阪大学大学院人間科学研究科 2東海大学医学部精神科
ページ範囲:P.33 - P.38
文献概要
2つの心理学的尺度による介入前後の比較と,介入後6か月後の質問紙調査による患者の主観的評価を分析した結果,介入前にさまざまなコーピング行動をとる傾向が高い患者は,介入前の情緒障害の程度が高い傾向があり,この情緒障害の程度の高い患者は,介入により情緒障害が改善されやすいことが明らかになった。また,医療を肯定的にとらえている患者は,そうでない患者に比べて,情緒障害の改善の程度が高いことが明らかになった。これらの結果から,乳がん患者に対する「構造化された精神科的介入」には,背景情報などを事前にスクリーニングすることが重要であることが示唆された。
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