文献詳細
研究と報告
通電療法により慢性疼痛が改善したうつ病の1例
著者: 漆原貴子1 功刀浩1 池淵恵美1 広瀬徹也1
所属機関: 1帝京大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.45 - P.49
文献概要
症例は65歳の主婦。59歳頃より職場のストレスを契機にうつ病を発症し,慢性化していた。家庭内のストレスもあり,下肢の疼痛「足に釘が刺さったような痛み」を生じ,強い苦痛を訴えるようになった。他院で抗うつ薬が試みられたが,明らかな効果はなかった。しかし,無けいれん性通電療法を行ったところ,うつ病症状の軽減とともに疼痛の訴えがほぼ消失した。通電療法前後のSPECT所見では,脳血流量の著明な増加が認められた。本症例は,うつ病に伴った慢性疼痛に対し通電療法が有効である可能性,そのメカニズムとして脳血流の改善が関与している可能性を示唆する。
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