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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻1号

2001年01月発行

研究と報告

通電療法により慢性疼痛が改善したうつ病の1例

著者: 漆原貴子1 功刀浩1 池淵恵美1 広瀬徹也1

所属機関: 1帝京大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.45 - P.49

文献概要

【抄録】 慢性疼痛は,しばしば難治性であり,麻酔科的治療のほか抗うつ薬,認知行動療法,力動的精神療法などが試みられる。今回我々は,通電療法によって慢性疼痛が著明に改善したうつ病の1例を経験したので報告する。
 症例は65歳の主婦。59歳頃より職場のストレスを契機にうつ病を発症し,慢性化していた。家庭内のストレスもあり,下肢の疼痛「足に釘が刺さったような痛み」を生じ,強い苦痛を訴えるようになった。他院で抗うつ薬が試みられたが,明らかな効果はなかった。しかし,無けいれん性通電療法を行ったところ,うつ病症状の軽減とともに疼痛の訴えがほぼ消失した。通電療法前後のSPECT所見では,脳血流量の著明な増加が認められた。本症例は,うつ病に伴った慢性疼痛に対し通電療法が有効である可能性,そのメカニズムとして脳血流の改善が関与している可能性を示唆する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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