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巻頭言
精神医学におけるEBMとNBM
著者: 加藤敏1
所属機関: 1自治医科大学精神医学
ページ範囲:P.1052 - P.1053
文献購入ページに移動 概して,欧米の考え方が日本に導入される際,あるひとつの局面のみが誇張した仕方で喧伝されることが多い。例のEvidence-based medicine(EBM)にもこのことがあてはまるように思われる。最近,私はEvidence-based medicine,およびNarrative based medicine(NBM)(以下,それぞれエビデンス立脚医学,語り立脚医学と試訳する)をめぐるイギリス,アメリカの動きに目を通す機会を持ち,この観を強くした次第である。
エビデンス立脚医学の術語,および考え方が最初に提出されたのは,1992年のアメリカ医学会誌の論文「エビデンス立脚医学―医療実施の教育への新しいアプローチ」(JAMA268:242-246)のようで,著者は大半が臨床疫学を専門にしている学者から構成され,「エビデンス立脚医学研究グループ」となっている。その4年後に,その有力なメンバーであったD. L. Sakettらは,イギリス医学誌(BMJ 312:71-72,1996)にて,エビデンス立脚医学が実際の医療現場においてもつ意義と限界を明確に論じた。この論稿で重要なのは次の条りである。
エビデンス立脚医学の術語,および考え方が最初に提出されたのは,1992年のアメリカ医学会誌の論文「エビデンス立脚医学―医療実施の教育への新しいアプローチ」(JAMA268:242-246)のようで,著者は大半が臨床疫学を専門にしている学者から構成され,「エビデンス立脚医学研究グループ」となっている。その4年後に,その有力なメンバーであったD. L. Sakettらは,イギリス医学誌(BMJ 312:71-72,1996)にて,エビデンス立脚医学が実際の医療現場においてもつ意義と限界を明確に論じた。この論稿で重要なのは次の条りである。
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