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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻10号

2001年10月発行

研究と報告

Fluvoxamine投与2週間後にセロトニン症候群を呈したうつ病の1例

著者: 山田恒1 松井徳造1 松永寿人1 橋本博史1 勝元栄一1 切池信夫1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学

ページ範囲:P.1071 - P.1076

文献概要

【抄録】 今回我々は,うつ病の治療中にfluvoxamineを投与し,2週間以上経過後にセロトニン症候群を呈した1例を経験した。症例は56歳の主婦で,3年前からうつ病のため,入院および外来治療を行っていた。三環系および四環系抗うつ剤やsulpirideによって副作用を生じていたので,今回の入院時にfluvoxamine 50mg/日の単独投与を開始した。しかし約2週間経過した後に,意識障害,反射の亢進,発熱,焦燥感などの神経,精神症状が突然出現した。身体所見や検査結果より,セロトニン症候群と診断し,fluvoxamineの投与を中止したところ,大部分の症状は2日以内に消失したが,腱反射亢進のみ5か月以上遷延した。fluvoxamineにより引き起こされるセロトニン症候群について,症状発現ならびに消失までの期間,発症の危険要因などについて,既報告の結果を踏まえて若干の考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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