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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻10号

2001年10月発行

短報

拡張型心筋症(DCM)に重症うつ病を併発し,Milnacipran(SNRI)が有効であった1症例

著者: 三澤仁1 伊藤耕一1 田吉伸哉1 金井貴夫1 青野成孝1 関由賀子1 笠原敏彦1

所属機関: 1国立国際医療センター精神科

ページ範囲:P.1085 - P.1087

文献概要

はじめに
 これまで低心機能の慢性心不全患者にうつ病が合併した場合,従来の三環系および四環系抗うつ剤では刺激伝導系障害などの心毒性が問題となり,薬物療法を行ううえで障害となることが指摘されている1)。また,不安焦燥感や希死念慮が強く,緊急治療としてm-ECTが必要と思われる症例にも,治療が心臓に与える影響を考慮すると麻酔科管理の下でも大きなリスクがあると言わざるをえない6)。今回,我々は拡張型心筋症(DCM)で心不全を合併し,なおかつ,強い自殺念慮を伴う重症うつ病の症例を経験した。種々の薬物療法を試みたが十分な効果を上げることができず,結局milnacipranを中心とした抗うつ剤治療で短期間に著明な抑うつ状態の改善を得たうえ,心機能をはじめとして身体的にもなんら臨床的悪影響を与えなかった症例を経験したので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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