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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻10号

2001年10月発行

文献概要

シンポジウム 精神分裂病の心理社会的治療の進歩

精神分裂病の心理社会的治療についての議論の今日的意義

著者: 松下正明1 林直樹1

所属機関: 1東京都精神医学総合研究所

ページ範囲:P.1115 - P.1115

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精神分裂病治療における心理社会的治療の位置づけ
 精神分裂病の治療にはさまざまな方向からの実践が含まれているが,特に心理社会的援助は,その中の基本的なものの一つとしてとらえることができる。それは,精神障害の治療が本来,患者と医療スタッフのかかわりの中で進められる営為であり,対人関係もしくは社会的場における働きかけが前提とされなければならないからである。また,近年長足の進歩を遂げ多くの期待を集めている薬物療法においても,そこに心理社会的援助の下支えがやはり不可欠である。
 さらにこの基本的領域では現在,特定の技法を用いたさまざまな治療法の開発,研究が進められている。最近,この治療をテーマとする総説や特集が国際誌に相次いで掲載されているが(J Nerv Ment Dis 188:187-201,2000,Schizophr Bull 26:2000の特集,Acta Psychiatr Scand 102:98-106,2000,Am J Psychiatry 158:163-175,2001),このことは,この治療の実績が十分に確認され,さらにその見直しの時期に差しかかっていることを物語るものであろう。本シンポジウムの目的の一つは,そのような心理社会的治療の現状の一部を示し,その成果を共有することである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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