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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻11号

2001年11月発行

文献概要

研究と報告

書字障害にて発症し,緩徐進行性に頭頂葉症状を呈したdorsal posterior cortical atrophyの1臨床例

著者: 上田英樹1 北仁志1 北林百合之介1 中村佳永子1 成本迅1 山野純弘1 大見陽子1 福居顯二1

所属機関: 1京都府立医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1233 - P.1238

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【抄録】 書字障害にて発症し,構成障害,Gerstmann症候群などの頭頂葉症状が緩徐に進行したposterior cortical atrophy(PCA)の1臨床例を報告した。症例は57歳男性。53歳時より書字が困難になり,その後,左右障害,手指認知障害,構成障害,着衣失行などの頭頂葉症状が緩徐に進行したが,この過程で人格や病識は保持され,明らかな記銘力障害,見当識障害は確認されなかった。頭部MRIにて両側頭頂葉萎縮を,また123I-IMPSPECTで同部位の脳血流低下を認めた。これまでPCAにおいて多く報告されてきた失読や視覚失認などの高次視覚機能障害を欠いていたことから,dorsal typeのPCAに相当すると考えられ,PCAの臨床的多様性を中心に考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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