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研究と報告
精神・神経症状を来したウット®依存の2症例
著者: 井上誠士郎12
所属機関: 1平松記念病院 2現,北海道大学医学部精神科神経科
ページ範囲:P.1239 - P.1243
文献購入ページに移動【抄録】 市販の催眠鎮静薬ウット®の常用により,精神・神経症状を来した2症例を報告する。症例1は49歳の男性で,3〜6錠/日を19年間使用していた。全身けいれんが治療の契機となり,服薬中断後,多幸感,落ち着きのなさ,せん妄が出現した。症例2は35歳の女性で,12錠/日を9年間使用していた。経過中にけいれん発作のエピソードがあり,60〜72錠/日を連用後,急性中毒で入院となった。入院後,易刺激性,情動不安定,せん妄が出現した。いずれの症例も,服薬中断後5〜6日が経過してから,激しいせん妄状態を呈したことが特徴的であった。ウット®の常用により精神・神経症状を来しうるので,その使用には厳重な注意を要する。
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