icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻12号

2001年12月発行

文献概要

研究と報告

中国人留学生における大麻性フラッシュバックの1例

著者: 武田龍一郎1 石田康1 植田聡美1 三山吉夫1

所属機関: 1宮崎医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.1331 - P.1337

文献購入ページに移動
【抄録】 フラッシュバック現象は,依存性薬物使用中止後一定の期間を経て,薬物使用時の急性症状が再現する精神現象である。今回我々は,大麻吸煙中止約1か月後に急性錯乱状態を含むフラッシュバックを呈した外国人留学生の症例を経験した。症例は23歳中国人男性で,在日期間中に大麻乱用を開始し約1年間の大麻吸煙歴があった。大麻吸煙時には意識変容を伴う急性酩酊を呈することが常であったが,時に急性錯乱状態となり粗暴行為に及ぶこともあった。中国へ約1か月間帰省した後,再来日直後に急性錯乱状態を含むフラッシュバックを呈した。留学生活に伴う種々のストレスがフラッシュバックの発現に関与した可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?