icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻2号

2001年02月発行

特集 今,なぜ病跡学か

病跡学と精神科臨床

著者: 中谷陽二1

所属機関: 1筑波大学社会医学系精神衛生学

ページ範囲:P.129 - P.136

文献概要

はじめに
 病跡学が対象とするのは傑出人や芸術家,歴史上の人物であり,彼らが残した作品や事績である。したがって,医療サービスには貢献しない机上の学である。しかし,腹の足しにならない余技にすぎないにしても,精神科医や心理療法家の興味をそそるには相応の理由があるはずである。病跡学の実学的な効用として思い浮かべられるのは,表現病理学という観点から芸術療法に寄与することである。とはいえ,病跡学は芸術療法に解消されるわけではなく,それ自体の存在意義を持つ領域である。小論では病跡学が症例研究を基本に据えるという事実から出発し,精神科臨床に対して持つ意義について考えることにしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら