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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻2号

2001年02月発行

研究と報告

うつ病の遷延化要因—長期入院患者による検討

著者: 田所千代子1 宮岡等2 上島国利1

所属機関: 1昭和大学医学部精神医学教室 2北里大学医学部精神科

ページ範囲:P.185 - P.193

文献概要

【抄録】 うつ病の遷延化要因を探る一助として長期入院患者の特徴を検討した。うつ病患者51例を入院期間の中央値にて長期群と非長期群に二分し以下の要因を比較した。その結果,長期群の特徴として(1)症状出現から精神科受診までの期間が長期である。(2)病前のGAF尺度得点が低値である。(3)HAM-D 21項目得点が入院2週間後も高値である。(4)HAM-D心気症項目得点が入院時より高値である。(5)入院2週間後までの抗うつ薬の1日平均投与量が低用量であることなどが挙げられた。入院2週間後までに十分量の抗うつ薬の投与ができない場合は長期化につながる可能性が高く,心理教育に力を注いだり,電撃療法を考慮するなどの必要性があるものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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