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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻2号

2001年02月発行

文献概要

研究と報告

有機燐系農薬の服毒自殺後にパーキンソニズムを呈した2症例—精神症状,パーキンソニズム,遅発性polyneuropathyについて

著者: 齋藤信太郎14 大橋健二25 石原修2 松田潔3

所属機関: 1山梨県立中央病院精神科 2山梨県立中央病院神経内科 3山梨県立中央病院救命救急センター 4現,大月保健所 5現,山梨医科大学神経内科

ページ範囲:P.211 - P.217

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【抄録】 有機燐中毒によりパーキンソニズムと遅発性polyneuropathyを呈した症例とパーキンソニズムのみが出現した症例について報告する。パーキンソニズムは極期には2例ともYahrの重症度分類にあてはめればstage 5であり,1例は不随意運動,眼球上転のdystoniaを合併した。その持続期間は7日間,23日間で,2例ともパーキンソニズムは完全回復した。polyneuropathyについては,13日目より下肢のしびれや疼痛が出現し,2か月後,四肢の筋緊張低下,手袋靴下型の感覚異常,筋脱力,筋萎縮,歩行障害が判明した。5か月後筋力が回復し始めたが,11か月後でも,歩行は補助具装着により杖なし歩行が可能となったものの,手の指をまっすぐに伸ばすことができず,四肢の筋萎縮は完全回復には至っていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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