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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻3号

2001年03月発行

研究と報告

Pick病の反復行動に対する選択的セロトニン再取込み阻害剤の効果—強迫スペクトラム障害の観点から

著者: 西川隆1 池尻義隆1 正木慶大1 中川賀嗣1 徳永博正1 吉山顕次1 武田雅俊1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科生体統合医学神経機能医学講座精神医学

ページ範囲:P.251 - P.258

文献概要

【抄録】 反復行動が目立ったPick病の2症例に対し,選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)fluvoxamineによる治療を試みた。両例とも反復行動の改善がみられたが,とりわけ内発的常同行動で顕著であり,効果の発現は速やかであった。近年の強迫スペクトラム障害の観点からは,前頭側頭型痴呆の行動特徴とセロトニン活性の低下や前頭葉機能低下は,強迫性の対極に位置する衝動性の病態と解釈することができ,両例にSSRIが速やかに奏効したこととも一致する。Pick病を含む前頭側頭型痴呆において,治療・介護上の問題となる反復行動に対し,SSRIは試みるべき薬剤のひとつであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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