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文献詳細

雑誌文献

精神医学43巻3号

2001年03月発行

研究と報告

修正電気けいれん療法(mECT)において心拍静止(asystole)を起こした4例

著者: 松尾幸治1 加藤忠史2 平井利幸1 村木健郎1

所属機関: 1JR東京総合病院精神神経科 2理化学研究所脳科学総合研究センター

ページ範囲:P.291 - P.296

文献概要

【抄録】 修正電気けいれん療法(mECT)直後にasystole(心拍静止)を起こした4例を経験した。その発症頻度は4/62例(6.4%),7/210回(3.3%)であった。asystoleのメカニズムには視床下部から迷走神経を経由した副交感神経が関与しているといわれている。asystoleを起こす危険因子としては,心疾患の既往やその危険因子を持つ患者,βblocker,lithium服用患者などが示唆されているが,本症例でも同様なことが認められた。予防にはatropine筋肉注射が有効であったが,筋肉注射では効果発現まで時間がかかる症例があったため,投与時間に気をつけなければならない。asystoleが生じた際は前胸部叩打を行うことでほとんどの場合心拍が再開したので,冷静に対処することが必要であることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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